小樽歴史的建造物再利用コンテスト – NPO法人小樽民家再生プロジェクト

皆様こんにちは。私たちNPO法人小樽民家再生プロジェクトは平成24年に設立し、小樽の歴史的な街並みを生かすために、空き家等の古民家に新たなライフスタイルを希望する方の移住をマッチングする活動をしています。

■事業紹介
　この度小樽市ふるさとまちづくり協働事業のご支援や多くのご協賛を仰ぎながら、「小樽歴史的建造物再利用パネル展」を開催し、小樽古民家の活用事例コンテストを開催するはこびとなりました。このコンテストを通して、小樽市民のみなさまと『小樽の宝、歴史的町並と古民家』の価値を再認識し今後の小樽の発展に繋げたいと考えています。
　今回調査をさせて頂いた事例は、私たちが進める移住促進の頼もしいモデルであり、再利用に伴う様々なご苦労の成果を学ばせていただくことができました。

■ズームアップ
　小樽には平成4年日本建築学会北海道支部調査で2.357棟の歴史的建造物が存在していましたが、平成24年歴史文化研究所の追跡調査では1.178棟（約半減）、そして今日、平成27年8月現在では1.000棟あるかないかという状況になっています。
　そして再利用されている歴史的建造物は本年の小樽民家再生プロジェクト調査で、約200棟（個人住宅除外）がピックアップされましたが、時間の関係で全てを回ることが出来ませんでした。ここに掲載させていただいた事例は、私たちが調査した中で、対象の皆様にご了解を頂いたものです。

■歴史的建造物再利用の大きな価値
①小樽の基幹産業に貢献
　さて現在の小樽では、年間1,200億円を超える自主売上げや経済波及効果から、観光は小樽の基幹産業に位置づけられていますが、歴史的建造物再利用施設は小樽観光産業を牽引することで大きな貢献をしていると私たちは考えています。

②成熟・洗練のモデルに貢献
　一方世界は20世紀の100年間、日本を含めた先進七ヶ国が世界の資源を独占してきましたが、21世紀には世界人口の半分の国々が高度経済成長を果たしていますので、これまでの「成長神話」が成り立たず、「成長」から「成熟」「洗練」モデルが求められています。ということは経済合理性のみのまちづくりから文化や環境を考え、個々人のライフスタイル覚醒も考慮することと思えば、文化を残す経済である小樽観光は、十分世界に誇り得るモデルだと私たちは考えています。
　このような客観性から、小樽の歴史的建造物再利用は小樽独自の文化運動だと考えます。

■市民の皆様へ
　私たちは、今回の調査で｢小樽の古い建物は、今後の小樽経済牽引の『宝』である｣事を、再認識しました。
　それは、建物が作られた当時の智恵や技術の素晴らしさ、投資額の大きさだけでなく、再活用されている方々の智恵や工夫によって、｢古い建物｣が、お客様にとって魅力ある｢今に活きる建物｣に生まれ変わる事の再認識でもありました。
　市民の皆様にパネルをご覧いただき、それぞれのご苦労に思いを馳せていただければ幸甚です。そして、どうぞ、コンテストにご参加下さい。

■市民の皆様、行政、経済界の皆様へ
　私たちは、古民家の活用事例を｢みんなで応援｣し、今後も活用事例が増えて行くことが、このパネル展コンテストの成果と考えます。

NPO法人小樽民家再生プロジェクト代表中野むつみ

建物の写真をクリックすると、PDFが開いて、建物の説明をご覧いただけます。